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2010年2月26日 (金)

ハンマー投げについて

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ハンマー投競技は、ワイヤーとハンドルを含めて全質量7.26kg、長さ約1.2mのハンマーを、直径2.135mのサークル内から投擲する競技です。現在、世界記録は86.74m、日本記録は84.86mです。数回のターンの後にハンマーをリリースし、ハンマーが角度34.92度のラインの内側に入った場合が有効試技となります。通常、ターンは3回転から4回転行われ、1回のターンの間に両足期と片足期があり(図1)、おおむね両足期のローポイントあたりでハンマーヘッド部分が加速し、ハイポイントになる片足期には減速します(図2)。1回転の間に結果ハンマーは加速し、約40度前後の投射角でリリースされ、国際大会の上位進出者では、リリース時にハンマーヘッドは28m/s以上の速度、15 rad/s以上の角速度、ワイヤー部分には3000N以上の張力がおおよそ作用します。世界記録を出すためには、約30m/sの初速度を必要とし、世界記録前後の投擲では、0.1m/sの速度差が0.5m程度の距離の差に反映されます。

ハンマーを剛体としてみたときの運動はおおむね回転運動が中心ですが、ハンマーヘッドの運動から算出した瞬間回転中心はおおよそ首のあたりに位置しており、その回転中心位置はターン中に徐々に投擲方向に移動します。また、その曲率半径の長さは多少振動しながらも、おおよそ短くなっていく傾向にあります。 ハンマーのハンドル部分には、トルク(回転のモーメント)を加えることができません。したがって両足期のワイヤーに与える張力(並進力)だけでハンマーを加速し、その加速と片足期の減速とを交互に繰り返し、励振運動のように次第にハンマーが加速されます。

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